時間の都合もあり、残念ながら女性と会って話を聞くことは不可能であったが、近くの部屋には“Do not Disturb”のタグがドアノブにぶら下がっている部屋が多く見られた。このフロアには20部屋あったが、割合から見て十数名の女性が働いていたのだろう。
帰国後にも数カ月したら再び出稼ぎに来るというパターンも
筆者はこの海外出稼ぎについても、王氏に詳しく話を聞くことにした。
――先程、海外出稼ぎをする女性の最低就労期間が1カ月と伺いました。トクリュウでは3カ月なのに、女性はなぜ1カ月なのでしょう?
「現在、世界各国で海外出稼ぎ案件が問題になっていますよね。台湾でもそれは同じで、目を付けられている代理店が取ったチケットでは、女性が長期の一人旅をする場合、怪しまれて入国拒否されるケースが増えてしまったんですよ。そうなると、そこまでかけた費用はこっちが丸損になってしまう。来る女性に立て替えてほしい、とは言えませんしね。だから、1カ月という短い期間を用意しました。とはいえ、殆どの女性は2カ月以上仕事をして観光をして大金を持って帰りますけどね」
――また、1000万円という巨額の報酬を女性が得る場合もあるとのことでしたが、どうやってそれを日本に持ち込んでいるんでしょうか? 100万円以上の出金は申告しないといけないというのがルールだったと思いますが。
「ご存知の通り、台湾の入出国の審査は甘いですからね。深夜便の場合、荷物に怪しいモノを入れていなければまず引っかかりません。コロナで渡航が解禁された頃は、もっと甘かったんですけどね。普通に堂々としていれば、成田でも関空でも止められることはないでしょう。もちろん、怖がる女性も当然いますし、海外送金は半分が手数料なので、足が付かない仮想通貨で持ち出す方法を教えています」
――そもそも、売春で月1000万円を稼ぐ、というのがちょっと非現実的に思えてしまう部分があるのですが……。
