海外で売春をする日本人女性が急増し、警察は取り締まりを強化している。そんな中、海外の売春店に日本人女性をあっせんしていた疑いがかけられている臼井良夫被告(54)の被告人質問が、10月17日に東京地裁で行われた。

 臼井被告が主犯格だったグループのメンバーはすでに起訴され、会社役員のA(44)と自営業のB(63)の2人は懲役2年、執行猶予4年の判決を受けている。臼井被告も起訴事実を認め「女性に対して責任を持つ仕事だったが、大変なことをしてしまった。申し訳ない。ご迷惑をかけたことを深く反省しています」と罪を認めて謝罪した。

写真はイメージ ©︎ AFLO

「3年間で200~300人をカナダやオーストラリア、米国に派遣した」

 起訴状や冒頭陳述によると、臼井被告は専門学校を中退した後にホストなどの職を転々としていたが、2013年ごろに女性の紹介業を始めたという。オーストラリアやカナダ、アメリカで売春グループのエージェントとしても働いており、売春する女性のスカウトのほか、オーストラリアでは売春店の店長もしていた。

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 臼井被告は「海外出稼ぎシャルム」というサイト(閉鎖済)で売春する女性を募集し、海外の売春組織に派遣していたグループの代表で「3年間で200~300人をカナダやオーストラリア、米国に派遣した」と説明している。

 被告人質問では、売春あっせんを始めるきっかけは、都内で知り合った中国人の男だったという。

「売春をする日本人女性を紹介してほしい」「オーストラリアでは売春が合法の店がある。売り上げもそれなりに大きい」という話を聞き、会社を立ち上げて本格的に海外向けに売春あっせんを始めた。応募してきたのは、一体どういう女性だったのだろうか。

「性風俗の経験者が5割。未経験者が5割です。未経験者の応募理由は、国内では顔バレの可能性があって売春を避けていた、海外での売春は稼げるという噂を聞いたなど。しかし、『実際には安易に稼げる仕事ではない。甘い考えでは稼げない』という話をしました」(臼井被告、以下同)