ラストツアーチケットの「心理的争奪戦」が始まっている

「俳優業やバラエティなどに忙しい4人それぞれのスケジュールを合わせることも煩雑すぎた。それでも、コロナ禍を経て嵐のコンサートを有人観客の前でやるという青写真はずっとありました。ツアー日程、会場をおさえるというのは1~2年がかりの作業です。そうした中で来春のコンサートツアーが“解散ツアー”になることが、徐々に明確になってきたんです」(旧ジャニーズ関係者)

松本潤 ©文藝春秋

 詳細なスケジュールの発表はこれからだが、冒頭のファンが言うように、「心理的争奪戦」が始まっているのがラストツアーのチケットだ。

 発表によれば、有料ファンクラブ会員が優先的にチケットをとれるようにいったん新規会員募集を停止。6月に、これまでの会員とは区別する形で新たに募集を再開するという。

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「ジャニーズ事務所の時代に、嵐のファンクラブ会員は300万人を超えていました。その全てがファンというわけではなく、チケットをとるために家族みんなで入って名義数を増やしている“水増し分”はありますが、それでも飛びぬけた会員数です。4年半も退会せずに支払い続けた会員は、このプラチナチケットに申し込まないハズはない。

 どれだけの回数、コンサートを開催したら嵐ファンが満足するキャパを用意できるのかがポイントとなります」(同前)

相葉雅紀 ©文藝春秋

 嵐の御用達ともいえる国立競技場で7万人弱、各地の大きなドームなどで5万人前後。相当の日数をキープするのは、スポーツ日程との兼ね合いもあり難易度が高いことがわかる。

“濡れ手に粟”の収益をキッパリと手放すなんてさすが嵐

 一方で、業界的にはこんな見方も。

「今回、来年5月いっぱいでファンクラブも閉鎖するとの発表もありました。これってなかなかできない潔い決断ですよ。タレントにとってファンクラブの収益というのはほんとうに割がいい。嵐の場合は年4000円ですが、仮に100万人の会員でも年間40億円ですからね……。これは『放っておいても入ってくるお金』として非常に大きいんです。サブスク解約同様、なかなか退会手続きってされないものなので。

 ひと昔前はファンクラブの管理がけっこうアナログで、郵送物の手配などが手間でしたが、いまは徐々にDXが進み、こうした発表ものもオンラインですからラクなものです。ある意味で“濡れ手に粟”なんです。活動休止中も継続してきたファンクラブの収益をキッパリと手放すなんてさすが嵐だな、と」(プロダクション関係者)

櫻井翔 ©文藝春秋

 これまでも嵐のコンサートツアーの最中は、会場への交通機関や近辺の宿泊施設の予約が困難になるほどで「地域経済を動かす嵐」といわれてきた。ファン垂涎のチケット争奪戦のみならず、多方面での皮算用が水面下でスタートしている。

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