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「国外への目線」を持って
ここまで見てきたように、過去のアメリカ製のヒット車種に共通しているのは、単に「アメ車らしさ」を押し付けるのでなく、国外消費者の嗜好や市場動向を捉えようとするスタンスである。
国際市場でモノを売るには、現地の状況を分析し、ニーズにあわせて製品をローカライズすることが欠かせない。「日本でアメ車が売れない」と訴えるからには、右ハンドルの設定など日本の事情にあわせた仕様変更がまず必要だろう。
しかし自動車貿易の不均衡を訴えはじめてから50年ほど、アメリカ側が日本の消費者に迎合しようとしたケースはきわめて少ない。あるいはハナから日本市場を重視しておらず、ローカライズの必要性すら感じていないのかもしれないが。
そもそも、マーケティングの方法論や市場分析の重要性を教えてくれたのは、他ならぬアメリカの経営学者たちではなかったか。アメリカを再び偉大にするために、まずはPEST分析から始めてみてはどうだろう。