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“女子”の笑顔に「連帯」があふれていた
最後に、パン食い競争に出られなかった女子の話をしたい。朝ドラを見ていると、おのずと子役ウォッチャーになる。ヒロインの子ども時代を演じる子役は、みんな「選ばれし子役」。うまいものだと毎回感心する。が、ヒロインの子ども時代以外の子役で、こんなに心をわしづかみにされたのは彼女が初めてだった。
走る気満々な背中から一転、出場不可と言われてかたまってしまう。不服と不安がにじんだ様子から姿を消し、のぶの優勝後に見せた笑顔には「連帯」があふれていた。うまい、うま過ぎる。
ヒロインの近くにいた女優が、やがてヒロインになる。朝ドラではよくあることで、「花子とアン」で北海道に嫁がされたももを演じていた土屋太鳳さんは、1年後に「まれ」(2015年度前期)のヒロインになった。
「あんぱん」の公式インスタグラムによると、走れなかった女子を演じたのは、金井晶さんだそうだ。彼女が属する事務所のホームページを見たら、「虎に翼」でも虎子の娘役や虎子の義理の姉のひ孫役を演じていたという。金井さん、2018年生まれの7歳にして、すでに朝ドラ常連。将来の朝ドラヒロイン間違いなし。豪の帰還に続き、そう予測してしまおう。
矢部 万紀子(やべ・まきこ)
コラムニスト
1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長。著書に『笑顔の雅子さま 生きづらさを超えて』『美智子さまという奇跡』『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』がある。
コラムニスト
1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長。著書に『笑顔の雅子さま 生きづらさを超えて』『美智子さまという奇跡』『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』がある。
