「ハルキくんの知能は、小学3年生で止まっています」

 もう、みんなと同じ教室には通えない。通うなら、特別支援学級だ。そうなると周りからどんな目で見られるようになるか、想像するまでもなかった。

 頑張って保ってたカラ元気も、さすがに限界だった。

 俺は電車のなかで、わんわん泣いた。

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「ハルキくんの知能は、小学3年生で止まっています」

 後日、母さんは学校に呼び出されて、正式に報告を受けた。

 特別支援学級に入るかどうか?

 俺はしばらくひとりで考えることにした。編入を決めるまで、学校には来るなって言われてた。1日中、家でパワプロと妄想をする日々が戻ってきた。地獄の小学生時代に戻ったみたいだった。そんな日々が、1週間くらい続いた。

 憧れの新庄は、ゲームの中でもスーパースターだった。それを見て、思い出した。俺はみんなの人気者になりたかったんだ。周りの人たちを、とにかく笑わせたい。そして一番笑って欲しかったのは、母さんだ。母さんを困らせることはしたくなかった。

「俺、特別学級に行くよ」

 考えて考えて、母さんにそう言った。

 そうすれば、少しでも母さんを楽にしてやれるって思ったんだ。