こっそり監視カメラを設置して発覚した「衝撃の手口」

 店内の壁にそうした熊手を飾っていたある店では、いつものように営業していると常連客がふと「あれっ? お札減ってない?」と声を上げた。見れば、確かに飾り始めた当初からお札が減っているではないか!

犯人は壁によじ登り、熊手から定期的にお札を抜き取っていた ©GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

 店からすれば、毎日忙しく営業する中で、いちいち熊手のお札の枚数など気にしていられない。その後こっそり設置した監視カメラには、営業後、壁によじ登りお札を抜き取る従業員の姿が写っていた。問い詰めると定期的に1枚ずつ抜き取っていたという。商売繁盛を祈願するはずの熊手が、まさか横領に利用されてしまうとは……。神様も泣いているに違いない。

 実はこうした横領、発覚後に従業員を「即刻クビ」にすれば解決するという簡単な話ではない。続く記事では700万円を横領されたにもかかわらず、犯人を雇い続けた店のケースや「横領されやすい店の特徴」などを解説していく。

次の記事に続く 「使い道はギャンブルやキャバクラ」「最初はバレにくい1000円程度から」飲食店の“強欲従業員”たちが手を染める“大胆すぎる横領” 犯人を「即刻クビ」にできない悲しすぎる事情