「仕事は逃げられないから、やるしかない」

 『癒しのこころみ』主人公がそうであるように、松井といえば毅然とした役柄よりも、ときに迷ったり悩んだりするような共感性の高い女性を等身大で演じている印象が筆者にはある。では本人の「素」はどうかと言うと、インタビューで次のように語っていた。

「何か悩みがあったときも人にはあまり相談できないタイプ。(中略)何かあったときに乗り越えるのは私であって、私が解決しなきゃ意味がないっていう思いもあるんです。だから今までも苦しいときは自分で折り合いをつけてきたつもり。仕事において逃げられないのわかっているから、やるしかない。じゃあ、それをどうがんばるのか、これからどうするのかを前向きに悩もうと。(中略)有言実行よりも何もいわずに達成していくほうが素敵だと思う部分も大きくて」(『松井愛莉1stスタイルBOOK ハタチ』より)

 苦しみや迷いは胸の内に秘め、泥臭くとも努力して前へと進む。そんな姿勢に彼女のプロ意識が見える。何かと話題の渦中に巻き込まれることも多いが、これからの松井愛莉の俳優道に幸多からんことを祈ってやまない。
 

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