キスを交わしつつ、豊かな胸をもみしだかれ…
27歳の時には、秋吉久美子・林隆三主演の『妹』(74年)でシックなラブシーンに挑戦。ひし美は女子大生役で、林とアパートの狭い自室で情事をかわす。
白いミニスカにブルー系横ストライプの半袖シャツ姿で畳に横になり、林がシャツをたくしあげると、なんとノーブラで豊満なバストがあらわに。キスを交わしつつ、林がその豊かな胸をもみしだいていく。ひし美のハスキーな喘ぎ声が狭い部屋に静かに響くシーンは、アンヌ隊員ファンのかつての少年たちにはいささか刺激の強いシーンだった。
特撮との縁も続き、25歳の時には『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(72年)に出演。この映画の福田純監督はひし美が20歳の時のドラマ『天下の青年』(67年)の監督でもあり、その時は演技についてキツい指導を受けた。だが『ゴジラ対ガイガン』で再会した時はプロの女優として接され「一人前の女優として認められたんだ」と喜んだ。
2度目の離婚を「連れ合いからの三行半」とあっさり報告
プライベートでは、28歳のときにお見合いで一般男性と結婚。1児も授かるがすれ違いから数年後に離婚。32歳で再婚したのは8歳下の料理人で、華やかな芸能界とは違い、寡黙に仕事に向き合う姿に惹かれてひし美のほうからアプローチして結婚に至ったという。
後に「アジアンタイぺイ」というエスニック料理店を夫婦で開店した時には、ひし美も自ら厨房に入り献身的に手伝っていた。
筆者も何回かこのお店にお邪魔したことがあるが、料理もお酒も美味しく、ひし美がお店にいなくても、近くまで行ったときにはランチ等で立ち寄っていた。ひし美はお店にいるときは、ほぼ全員の客に挨拶してまわり、常連客には特別の逸品もサービスする堂々たる女将ぶりを発揮していた。当然お店も繁盛していたが、残念ながら2019年に閉店している。
2度目の結婚時には3人の子どもをもうけたが、2016年11月に2度めの離婚。理由についてひし美はブログで「連れ合いからの三行半」とあっけらかんと報告している。しかし離婚後も店でイベント等を開催しており、双方納得ずくの離婚だったようだ。現在は男女ふたりの孫の祖母でもあり、関係は極めて良好のようだ。

