5月23日、女優・ひし美ゆり子が77歳にして3度目の婚姻届を熊本県芦北町に提出した。お相手は旧友で、『仮面ライダーアマゾン』『電撃!! ストラダ5』など往年の特撮ヒーローを演じた元俳優・歌手である岡崎徹(76)。
ひし美も『ウルトラセブン』(67年)の友里アンヌ隊員役でブレイクし、『プレイガール』(73~74年)などにも出演した特撮・アクション界のマドンナなので、特撮ヒーローとヒロインのビッグカップル誕生にSNSには祝辞と歓喜の声があふれた。
ひし美は1947年6月10日生まれの東京都中野区出身。父親の事業失敗に伴って7歳で三鷹市に移り、16歳で藤村女子高等学校に入学。17歳で東宝主催の「ミス東京セニョリータ」の準ミスに選ばれ、このことが縁で第6期オール東宝ニュータレントに合格。東宝に入社して芸能活動をスタートした。
東宝俳優養成所を経て、映画デビューは19歳の『パンチ野郎』(66年)。当初は本名で活動していたが、ほどなく「菱見百合子」に改名している。
最大の転機となる『ウルトラセブン』のヒロイン、友里アンヌ役に選ばれたのは20歳の時だ。
バスト部分の衣装がキツかったひし美はハサミで…
じつはアンヌ役は別の女優に決まっていたが、直前で降板したため突然転がり込んできた大役だったという。
衣装合わせに呼ばれたのが撮影前日という急日程だったため、ウルトラ警備隊の隊員服も前任の女優のサイズで作られており、ひし美にはタイトだった。特にバスト部分がキツく、あまりに窮屈でひし美はこっそり衣装脇の目立たない箇所をハサミで切り、隙間を作って着用していたという。
しかし実は、出演当時はプライベートで町中を歩いていても声をかけられたりサインをねだられることもなく、本人的には大人気ぶりを実感することはなかったという。ひし美本人が『セブン』出演が転機だった事実を自覚するのはもっとずっと後のことになる。
その後も映画やドラマなど仕事は順調に増えていったが、25歳の時に東宝との契約が終わり、ひし美は芸能界引退を考えていた。しかし、転機は意外な形でやってきた。

