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さじ加減を間違えると大惨事となりかねない題材を、絶妙なバランス感覚で物語に落とし込んでいる見事な脚本である。
吉田恵里香は「虎に翼の現代編」として書いている?
吉田恵里香は、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』やテレビドラマ『恋せぬふたり』(NHK)の脚本家で、昨年放送されたNHK連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『虎に翼』の脚本で、その作家性が広く知られるようになった。
『虎に翼』は法律を題材にした物語で、戦前・戦後を舞台に、主人公の寅子(伊藤沙莉)が法曹界で直面する女性やマイノリティに対する差別や社会問題を描いた社会派朝ドラの傑作だった。
物語を通して社会問題を描く鋭い切り口は、この『前橋ウィッチーズ』でも健在で、『虎に翼』の現代編として筆者は固唾を呑んで毎週見守っているのだが、本作を観ていると、実写作品よりもアニメで現実の社会問題や女性の悩みを描いた方が、より深く響くのではないかと表現の可能性を感じている。
キラキラとしたアニメの世界にちりばめた少女たちを取り巻くリアルな社会問題に対し、本作がどのような回答を見せてくれるのか楽しみである。
