アンナ パパもそうでしたね。かなりの潔癖だったけど、ママのことが大好きだったから、なんでも雑なママのことを許しちゃうんですよ。そこはヨッチャンと似ているのかもしれない。

 あと、なにも言わなくても、サッとものを出してくれるところも似ているなって感じます。

 たとえば、お店に行っても棚を見てるだけなのにパパが「アンナ、これ欲しいんだろ」ってレジに持ってってくれて。ヨッチャンも本当に周りを気遣える人なんです。私が黙っていても、欲しいものを取ってくれたりして。

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ヨッチャン 彼女のことが大好きだから無理にやっているとかではなく、自然とそうしたいって思うんです。

「辰夫さんのお墓参りも近いうちに行きたいねって」

――放射線治療が終わって、現在の体調はいかがですか。

アンナ ちょうど昨日検査があったんです。腫瘍マーカーの測定をしてきたんですが、おかげさまでなんともなくて。

 抗がん剤、右胸の摘出手術、放射線治療と、がんの3大治療が終わって、いまはホルモン剤を飲んでいます。ホルモン剤にも副作用があってお腹を壊してしまうことがあるんですけど、自分が想像していたよりは大変じゃなくて。「ちょっとヤバい。トイレ行きたい」っていうのはあるんですけど。

ヨッチャン なにもなくて、ホッとしています。

 

――体調面にヨッチャンの存在が影響しているなと感じることは。

アンナ それはやっぱりありますね。なんか体調は安定している気がします。それに体重も落ちてシュッとした感じがあって。あと10キロくらいは落としたいんですけど、なんとなく肌の感じもいいなと思ったり。ヨッチャンが薬になっている部分はありますね。

 それに彼がいるから、これからも頑張ろうって思います。がんになってから悔し涙ばかり流していましたけど、流すのが嬉し涙に変わりました。

ヨッチャン 張り合いができて、本当に嬉しいですね。彼女とこの先もずっと健康でいるためにお互いに支え合いながら頑張りたいです。あと、辰夫さんのお墓参りも近いうちに行きたいねって話しているので、一緒に結婚の報告をしたいと思っています。

写真=鈴木七絵/文藝春秋

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