マネックスグループ会長の松本大氏によると、「ビットコインETF」の導入は日本の経済成長にとっても非常に重要だという。ここでは「文藝春秋」2025年6月号より、「私が見ているビットコインの未来」を一部抜粋して紹介する。
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分離課税にならざるを得ない
私は近い将来、暗号資産に対する税制は分離課税に変更されるだろうと楽観視しています。それはなぜかといえば、世界的な潮流と専門家による予測、そして関係省庁の動きから、この1年ほどの間に「ビットコインETF」の導入が日本でも行われるだろうと推測するからです。特に、霞ヶ関や永田町の関係者の動きは活発です。2月7日に行われた日米首脳会談の際に、トランプ大統領が石破首相に話したのではないかとも囁かれています。
ビットコインETFとは、ビットコインを対象とした上場投資信託(Exchange Traded Funds)のことです。上場投資信託とは証券取引所に上場している投資信託のことです。
ビットコインETFは普通の投資信託と同じように、証券会社を経由して上場先の証券取引所で取引を行います。アメリカでは2024年1月にSECにより承認され、大きな盛り上がりを見せています。複数の大学が運用基金をビットコインETFなどにアロケーション(資産配分)しています。
ビットコインETFが日本に導入されたら、ETFですので理論上、分離課税に分類されます。ビットコインETFを買うことは、ビットコインを持つことと経済行動としては変わりがないので、ビットコイン自体にも分離課税が適用されるはずなのです。