2024年にデビューしたK-POPグループ・ILLIT(アイリット)。セブン-イレブンが5月27日から展開している韓国グルメキャンペーンでイメージキャラクターを務めるなど、日本でも認知度を高めているこのグループには、2人の日本人メンバーが所属している。そんな彼女たちは韓国でどう見られているのか? 韓国のカルチャー事情に詳しい吉崎エイジーニョ氏が、現地の声を基に寄稿した。(全2回の2回目/はじめから読む

韓国エンタメの祭典「KCON JAPAN 2024」のレッドカーペットに登場したILLIT。(左から)ミンジュ、イロハ、ウォンヒ、モカ、ユナ ©時事通信社

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11歳で韓国に渡った、日本人メンバー・イロハ

 #1ではモカについて触れたが、もう一人の日本人メンバーであるイロハは、東京都出身の17歳。まだ小学生だった11歳にして日本を離れ、韓国での生活を始めた。当初は、TWICEやNiziUを擁する大手事務所「JYP ENTERTAINMENT」の練習生だったが、2020年にHYBEに移籍。2022年にオーディション番組『R U Next?』に参加し、計5年の練習生期間を経てILLITとしてデビューを果たした。

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2024年9月、パリ・ファッションウィークの「Acne Studios」のランウェイに登場したときの、ILLITのイロハ ©時事通信社

 韓国スポーツ紙の芸能担当記者は彼女の印象をこう語る。

「辛かった記憶も赤裸々に語った、2024年10月に韓国メディアに掲載されたインタビューのインパクトが強かったです」

 彼女のもつグループ内での「末っ子」というイメージとは裏腹に「かなりの努力家」という印象を覚えたというのだ。

 そのインタビューとは、韓国のウェブメディア『news1』が掲載した「海を渡ったアイドル」という連載企画。その第1弾としてイロハが取材対象となった記事だった。

イロハ(一番左)はILLITの最年少メンバー(ILLITのXより)

「ILLIT イロハ 11歳での一人の韓国行き、寂しかったけど……」

 そう見出しが打たれた記事でイロハは、小学校時代に両親と離れた心境を振り返った。

「11歳の時に韓国での練習生オーディション受験の提案を受け、両親と離れて韓国に来ました。その時は韓国語も全く分かりませんでした。幼い年齢だったので、お母さんお父さんと離れて他国にいることが寂しくもありました。でも自分で成長していることを感じながら、楽しく練習生生活を送りました」