「トヨタで儲けたお金は、トヨタで使え」

 また、広告、宣伝の分野でも介入が間接的に強くなった。例えば、NTPグループが名古屋のバンテリンドームに広告を出す、あるいはプラネタリウムのネーミングライツを取った際、トヨタの車種名を出すことなどに対して、「フランチャイジー」を盾に介入してくるようになった。

5代目社長を務めた豊田英二氏。いわゆる「トヨタ式生産方式」を確立した人物として知られる ©文藝春秋

 そこで、持ち株会社であるNTPホールディングスとしてなら、トヨタ自動車と契約関係にないので、「自由にブランド戦略ができる」と考えた。ところが、である。今度は「ホールディングスも監査の対象とする」と通達してくるだろう。

 トヨタの自動車を売っている会社だから、そこまで言われたら否めない。もし拒んだら、「では販売してもらわなくてけっこうです」となるだろう。さらには、「トヨタで儲けたお金はトヨタで使え」とばかりに、「輸入車を売るんだったら、その分をレクサスに投資してくれ」というようなことを言い始めているとも聞く。

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 これでは、自分たちが儲けたお金で、自由な経営ができない。