「トヨタの言うとおりにやればいい」章男社長の代から“強権”が加速

 この傾向は、豊田章男社長(現会長)の代からである、この10年ほどで急激に進んだように思う。自由な営業活動、PR活動などが制限され、「トヨタの言うとおりにやればいい」ということである。これではがんじがらめだ。

豊田章男氏の父で現在トヨタの名誉会長も務めた章一郎氏(写真左)と、8代目社長を務めた奥田碩氏(写真中央)©文藝春秋

 独創性を出そうという、やる気のある経営者ほどおもしろくなくなってしまう。トヨタ車の販売の世界に嫌気がさして、飛び出してしまうかもしれない。

 逆にいえば、「言うとおりにしていればそれなりに経営ができるから」と思考停止した経営者は残る。そして、「殿、ご注進!」とばかりに、他社の行動を言いつけたり……子分のごとくふるまうだろう。トヨタはほんとうにそれでいいのだろうか。

次の記事に続く トヨタは「監視国家」に変わりつつある…ディーラー関係者が明かす“社内の忖度”と“章男氏の前でやってはいけないこと”

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