ともに「老い」がテーマの新刊『アウト老のすすめ』『老いを読む 老いを書く』が話題の、みうらじゅんさんと酒井順子さん。「なぜ女性は歳を取ると下ネタが話せなくなるのか?」「『若づくり』じゃなくて『老けづくり』がしたい」など、「老いるショック」トークに花が咲きます。そしていつしか話題の中心は、お二人の記憶に強く刻まれているあの方に――。
寂聴さんが描いてくれた似顔絵
酒井順子 私、ずっとこの髪型してるんですよ。結んでメガネ、みたいな。
みうらじゅん 知ってます。酒井さんは、ずっとオリーブ少女だもん。
酒井 あはは。でも飽き飽きしてるんですけど。この髪型に。
みうら わかります。僕も飽き飽きしてます(笑)。
酒井 飽きることにも飽きちゃって、結果として同じ髪型してるんですけど。でも、こうしていることが私にとっては剃髪なんだなって思うんですね。ほぼ髪を剃ってるのと同じっていうか。仕事していても一筋の乱れもなく、何をしていても髪が顔にかかることがないので、気が散らない。そういう意味で「これは私にとっての剃髪なんだ」って思うようにしているんです。
みうら (瀬戸内寂聴さんの声マネで)そう思うわよ、私も。あなたにとっての剃髪よ。
酒井 寂聴先生と話せていると思うと嬉しいです。またカレンダー出してください(笑)。
みうら 一度だけ番組の収録で寂聴さんに会ったことがあって、そのとき楽屋が一緒だったんですよ。僕、そのとき、髪の毛を真っ赤に染めてたんですが、離れた席におられた寂聴さんが大きめの封筒の裏になにかお描きになっていて。そのあと、つかつかつかと近づいて来られて、「これ、あなたにあげる」って。封筒の裏に赤いボールペンで、僕の髪の毛だけが描いてあったんです。
みうら 「あなたの似顔絵だから」とおっしゃっていたんですが、顔は描いていなくて。「髪型はその人を表している」っていうことをおっしゃっていたような気がしますけどね。


