酒井 拭き掃除は大変ですよね。腰、痛めるでしょう、必ず。
みうら 何年か前に、仏教系の大学のトークショーに呼ばれたことがあって、そこの学長にちょろちょろっと裏で手を回してもらって皆伝させてもらおうかなと思ってお願いしてみたら、「いや、それはあかんわ。うちは通信教育もあるから」って言われて。渡された通信教育のパンフレットを帰りの新幹線で読んでみたんですけど、うわ、これ結構ハードだなと思って。もう覚えられないですから。
酒井 記憶力が……。
みうら 今、1個情報を入れると、3個ぐらい出るでしょ。
酒井 出ます。大切な思い出が出ますね。
みうら 容量パンパンになってるから、もうダメだなと思って。その大学で、「タバコ吸っていいですか?」と聞いたら「ダメです。もう吸える場所はないです」と言われたんですが、何年か前にある高名な落語家さんを講演で呼ばれたとき、その方が「禁煙」って張り紙の前でタバコに火をつけられたらしくて。でもその方は人間国宝だから誰も何も言えなかったんですって。その話を聞いて、「出家するより人間国宝になったほうがいいな」と思ったんです(笑)。
酒井 高齢者向けに、ちょっと短縮した僧侶への出家への道があってもいいですよね。だって絶対あちらの世界も人材不足じゃないですか。うちのお墓があるお寺も、後継者不足みたいなことを言ってましたし。
みうら 法話の会場のキャパを埋められる人は、僧侶の道に行けると思う。法話力と人を集める力さえあれば。
酒井 みうらさんじゃないですか。
みうら だからちょこちょこ寺で講演会とかやっているんです。いつか「この寺、任していいかな?」って言われると思うんですよ。それをずっと待っているんですけど、誰も言わないんですよね(笑)
本イベントはコラボ企画です。トークの続きは、講談社現代新書のサイトで公開中です!
老いのお悩み解決に「アウト老」と「老い本」が結集…みうらじゅん&酒井順子が“老いるショック”を吹き飛ばす!
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