――好きだった16歳上の男性との関係は、付き合い始めてからどうなりましたか?

吉野 もともと体型に厳しい人でしたが、付き合ってからさらに厳しくなりました。外食すると「なおは太るからサラダね」と勝手にメニューを決められるし、「あと3キロ痩せたら指輪を買ってあげる」と言ってきたこともありました。いくら痩せても終わりがないんです。

 しかも、次第に体型以外の容姿についてもいろいろ言われるようになって。「すっぴんがブス」とも言われて、しっかりメイクをしてないと怖くて外に出られなくなってしまいました。

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――160cmで40kg台はかなり細いと思いますが、どうしてそんなに厳しかったのでしょうか。

吉野 彼の妹がモデルをしていたのが影響していたのかもしれません。彼自身も自分の体型にすごく気を遣っている人でした。「俺達ができるんだから、なおができないはずはない」「できないのは怠惰だ」と言われ続けました。

 そんなプレッシャーの中でも、彼に嫌われたくない一心で頑張っていました。でもある時、糸が切れたように突然過食が始まってしまったんです。

「カップアイスを3つ、ポテトチップスを1人で何袋も…」という過食の反動

――何かきっかけがあったんですか?

吉野 大きなきっかけがあったというよりは、彼との関係やダイエットによる体調不良、仕事のストレスなどいろんなものが溜まっていたのだと思います。ある日夜中に何か食べたくてどうしようもなくなり、「ちょっとだけ」と思って実家にあったお菓子を食べ始めたら止まらなくなってしまったんです。気づいたら、家にある食料をほとんど食べ尽くしていました。

――我慢していた反動が突然はじけてしまった。

過食に悩んでいた頃の吉野さん。2年ほどで一気に体重が20kg前後増えたという

吉野 まさにそんな感じでした。それからは手当たり次第にずっと何か食べていないと気が済まない状態になって、特に「太るから」とずっと我慢していた炭水化物や甘いものへの欲求が止まりませんでした。カップアイスを3つ食べても足りない、ポテトチップスを1人で何袋も食べてさらに食パンを一斤食べてもまだ足りない。

 職場からの帰り道に食欲が抑えきれなくなって、コンビニで買ったものを公園のトイレで食べたこともありました。そんな生活を繰り返していたら1カ月で体重が10kg増えて、自己嫌悪でストレスが溜まってさらに過食に走ってしまう、という悪循環に陥っていました。