プラスサイズモデルとして活躍し、「もうええでしょう。二の腕の大きさが顔ぐらいある豊満な花嫁がいても」と投稿したブライダルフォトも話題になった吉野なおさん(39)。
10代の頃に好きだった男性に言われて約1年で80kg弱から47kgという“30kgダイエット”を強行した吉野さんは、体調や精神状態に異変を感じるようになっていったという。(全3回の2回目)
◆◆◆
――16歳年上の男性に「痩せたら付き合う」と言われ、交際が始まってからも食事制限や運動を続けて30kgのダイエットをしたわけですが、吉野さん自身は満足していたのでしょうか。
吉野なお(以下、吉野) たしかに体重は増えませんでしたが、ダイエットのせいで体調は最悪でした。生理が来るのは数カ月に1回、お尻の肉が落ちすぎて椅子や床にあたると痛くて長時間座っていられなくなりました。貧血なのか、ずっとふらふらしている感じもあって。
でも当時は、それがダイエットの影響だとは思っていませんでした。「まだ若いから生理が安定していないのかな」「フラフラするのは私の体質なのかな」、なんて呑気に考えていました。
「最初はナンパも嬉しかったんですよ。『私、やっと女性として扱われるようになったんだ』って」
――学生時代は「太っていること」がずっとコンプレックスだったとお話しされていましたが、実際に痩せてみて変化はありましたか?
吉野 以前は着られなかったかわいい服が入るようになったのは嬉しかったですね。お店でも店員さんから「お探しのものはありますか?」と声をかけられたり、街を歩いているとカットモデルのお誘いを受けたり。あとは「ナンパ」もされるようになりました。
――中学生の頃は一緒にいる友達だけがナンパされて傷ついていたのが、今度は自分がされるように。
吉野 そうなんです。だから最初はナンパも嬉しかったんですよ。「私、やっと女性として扱われるようになったんだ」って。
でも、同時に怖い思いをすることも増えました。しつこくナンパされて家までついて来られたり、夜道で車に連れ込まれそうになったり。突然「君はいくら?」と聞かれたこともありました。
それでだんだん、ナンパしてくる男性が外見しか見ていないことに気づきました。それでも、「女扱いされなかったあの頃よりはマシ」と当時は思っていたんです。