「なんとなく」をやめ、届けたい人に届ける工夫を
イベントの後半では、参加者から寄せられたイラストの添削が行われた。フジワラ氏は、それぞれの作品の良い点を認めつつも、「設計思考」の観点から、より多くの人に届くための改善点を具体的に指摘した。
共通して見られた課題は、「SNSで見た時に、なぜ良いのかが伝わりづらい」「文脈が不足しており、パッと見た時にキャラクターや状況がわからない」「伝えたいことが絞りきれず、要素が多い」といった点だ。
これらの課題は、多くのクリエイターが抱える悩みでもあるだろう。フジワラ氏のアドバイスの核心は、「誰に何を伝えたいのか」を明確にし、「客観的に見てそれが伝わるか」を検証し、「伝えるための設計」を徹底することだ。
「イラストレーションという言葉の語源はイルミネーションと一緒で、なにかを照らしだすという意味からきてるんです。だから、描くときは一番見せたいものを意識すること。そして自分の意図を言語化し続ける努力が、多くの人の目にとまる素晴らしいイラストを描く秘訣だと思う」とフジワラ氏は締めくくった。
「なんとなく」から脱却し、戦略的な「設計思考」を身につけること。それが、自分の声を届けたい相手に確実に届け、チャンスを掴むための羅針盤となる。今日から、あなたも「この人に刺さってほしい」というラブレターを書くつもりで、発信を始めてみてはどうだろうか。
(ブックファースト新宿店にて)
