SNSがビジネスインフラとなった現代。多くの人や企業が、自らの作品やサービスを広めるためSNSでの「バズ」を目指すが、思うように成果がでない場合も多い。新著『コネ、スキル、貯金ナシから「好き」を仕事にするまでにやってきたこと』が話題のフジワラヨシトさんは、「バズは狙って作り出せる」と断言する。SNSで大人気のクリエイターによる「最強・最短のイラストバズらせ講座!」の一部をレポートする。

◆◆◆

フジワラヨシト氏 撮影・鈴木七絵(文藝春秋)

「バズ」はなぜ“偶然”では意味がないのか?

 多くの人がSNSで注目を集めたいと願う一方で、「バズ」という現象をどこか運任せのように捉えてはいないだろうか。イラストのポストが何度もバズってきたフジワラさんはまず、「バズ」の認識を改めることから話を始めた。

ADVERTISEMENT

 SNSのバズには「偶然のバズ」と「狙ったバズ」の2種類があり、前者は「全く意味がない」とフジワラさんは断言する。「結局、偶然バズったとしても、それってたまたまあった事故みたいなもの。自分が意図していないものが拡散されてしまう状態で、クライアントから仕事をもらったり、自分の活動を適切に知ってもらうということにはなかなか結びつかないんです」

 本来届けたい相手に響かなければ、それはお店の前にたむろしている人がいるだけで商品を買ってはくれないのと同じだ。「お客様にお店の商品を買ってもらう」ためには、SNSを「営業ツール」 として認識し、自身のサービスや商品を知ってもらい次の展開を作るための「手段」として捉える。そのために不可欠なのが「設計」だという。

バズは「設計」できる!

「設計とは、あらゆる偶然性を潰して必然に変えること。“なんとなく”投稿するのではなく、“こうなるからバズるんだ”という確信をもって作り込む必要があるんです」

 フジワラさんはその具体例として、イラストレーターとしてのキャリアの初期にフォロワーを200人から2000人に増やした一枚の絵を挙げた 。

「また明日から頑張ればいいよ」©フジワラヨシト

 シロクマと女の子が中華料理屋にいるこのイラストは、フジワラ氏が完全にバズを狙って設計したものだ。具体的には次の3つを意識したという。