――部屋の壁に幾何学模様のようなものを描いた紙が何枚もあります。これはタトゥーのデザインですか。

ゆいめろ わたしが描いたタトゥーのデザインです。1個単位で販売していて。気に入ったものを指定してもらえれば、価格を伝えて、納得していただいた上でそのタトゥーを彫るというシステムでやっています。

 壁に貼っているのはすでに彫り終わったものです。わたしは細い線で描くタトゥーが得意なので、そういうものが多いですね。

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――1個あたりの価格は?

ゆいめろ デザインによって異なるんですけど、名刺サイズのタトゥーで2万円からです。

――カジュアルな価格なんですね。ちなみに売上はどのくらいあるのでしょうか。

ゆいめろ タトゥースタジオのなかでは大きなスタジオではないんですけど、一番いい時の売上で3桁に届いたことがあります。家賃の支払いなどがあるので収入はもう少し下がりますが……。普通に暮らしてはいけてますね。

――彫師をやっていて困ったことはありますか。

ゆいめろ うれしい反響なんですけど、弟子入りの願いをされると返事に困りますね。わたしの技術もまだまだですし、彫っているタトゥーのジャンルも限られているので人に教えられることがほとんどないんですよ。弟子を取る予定もないので「どう返事をしようかな」といつも悩みます。

イラストを描くことへの想いもよみがえった

――彫師になって2年ほど経ちますが、いまの仕事は向いていると思いますか。

ゆいめろ タトゥーを彫るのって人の身体に絵を描く仕事なんですよね。手を動かしているとめちゃくちゃ楽しいですし、好きだなと思います。

 彫師になってからイラストも描くようになったんですよ。高校生の頃に描いていた時と同じような雰囲気なんですけど、お客さんから「いいね」と褒められることもあって。

 イラストレーターの仕事をもう一度目指したいなと思いました。少しずつ作品数を増やしていつか個展も開きたいです。

 

――タトゥーを通じて自分の好きなことを再認識したんですね。今後やっていきたいことはありますか。

ゆいめろ 彫師としてまだまだ技術的に成長できると思うので、しっかり勉強して技術を磨きたいです。最近はYouTubeで配信したり、刺繍をやってみたりと、やりたいことにたくさん取り組んでいます。すべてがかみ合っているので、手を動かしてなにかを作るということを続けていきたいです。

写真=松本輝一/文藝春秋

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