「『今日はお友達を家に呼ばないでね』と息子に伝えたら、『なんで? ハゲだから?』と言われたんです。『ハゲ』という言葉を言われて、私はびっくりしてしまって」
26歳のときに脱毛症によって、髪の毛をすべて失ったインフルエンサーの葉月さん(46歳)。今では幸せをつかみ、パートナーと小学生の息子と暮らす彼女だが、脱毛症ゆえの苦労も…。インタビュー最終回では、脱毛症で良かったこと・大変だったことを聞いた。(全3回の3回目/最初から読む)
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「プールが不安」脱毛症ママの子育て事情
――脱毛症を抱えている中で、子育てが大変だと感じたことはありますか?
葉月 子どもを持つこと自体を諦めていた時期もありました。やっぱり心配事がたくさんあるからです。子どもが「プールに行きたい」と言ったらどうしようとか、旅行に行くときはどうしたらいいんだろうとか。そもそも、出産のときはどうするのか……。考え始めると、いろんな不安が出てきたんですよね。
――お子さんが産まれて、どうでしたか?
葉月 産んでみたら、意外となんとかなったという感じですね。迷うことが出てきたときは、その都度、夫と話し合うようにしています。出産のときも、産院でどうしようかと悩みました。ウィッグをつけたまま分娩台に上がってもいいのか、とか。実際には、帽子のようなものをかぶって過ごしていたんですが、出産のときは苦しくて、自分が何をかぶっているかなんて、それどころじゃないですよね(笑)。
――子育てで困ったことはありましたか?
葉月 自宅ではウィッグを外していますが、外では基本的にウィッグをつけて過ごしています。なので、子どもが小さい頃は、外でおんぶや肩車をしてあげることができませんでした。引っぱられてウィッグが外れてしまうのが心配だったんです。あとは、海やプールにも行けませんし、子どもの学校行事やお泊まり会などにも参加しづらいという大変さがあります。夫の実家に泊まるときも、やはり気を使います。
――それぞれ、どう対応されているのでしょうか。
葉月 海やプールは、夫が担当で子どもを連れて行ってくれています。子どもが保育園児のとき、暑い時期にキャビンで寝泊まりをする行事がありました。そのときはウィッグだと暑いので、頭にスカーフを巻いて参加しました。
「実は脱毛症なんだ」と何人かのママ友には話していたので、理解してくれている人も多かったと思います。夫の実家への泊まりについては、「連泊は厳しい」と夫に伝えています。嫌なことや無理なことは夫に伝えて、できることをやるようにしています。