「なんでママには髪の毛がないの?」
――息子さんにはどのように、病気のことをお話しされているのでしょうか?
葉月 息子が3歳くらいのときに、「なんでママには髪の毛がないの?」って聞かれました。そこで、「ママは病気で毛がないんだよ。でも、痛かったり苦しかったりするわけではないから大丈夫だよ」と伝えました。彼なりに理解してくれたように思います。でも先日、私に用事があったので「今日はお友達を家に呼ばないでね」と息子に伝えたら、「なんで? ハゲだから?」と言われたんです。「ハゲ」という言葉を言われて、私はびっくりしてしまって。
――小学生の子どもが使いがちなキーワードですよね。
葉月 お友達との会話の中で覚えたことも、その言葉が子どもたちにとっては楽しい響きであることも理解できます。でもその晩、お風呂に入りながら息子に「ハゲっていう言葉は、ブスとかデブとかと同じで、人を傷つけるよくない言葉なんだよ」と説明しました。
「ママは言われたらちょっと傷つくな」と言ったら、息子は私をしばらく見つめて「ごめんね」と言いました。きっと、わかってくれたと思います。これから息子が成長していく中で、説明したり話し合ったりすることが必要なんだろうなと感じています。
年を重ねるにつれて、脱毛症で良かったことのほうが多くなった
――SNSでは、脱毛症を公表されていますが、公表されたきっかけはありますか?
葉月 SNSでは脱毛症を公表して、脱毛症だからこそ楽しめるファッションやメイクを発信しています。でも、以前は鍵付きのアカウントで、同じように脱毛症に悩む方たちとだけやりとりをしていました。
ある日、思いきって鍵を外して、ウィッグをつけていない自分の姿を公開したら、とても好意的で肯定的なコメントがたくさん届いたんです。それを見て、自分を肯定していいんだと、すごく勇気づけられました。それ以来、積極的に脱毛症の発信をしています。
――どのようなコメントが届いたんですか?
