金髪のソフトモヒカンにタンクトップのスーツ、黒縁の眼鏡。正装なのかラフなのかわからない服装から覗く上腕には肥大した筋肉が目立つ。彼の名前はひげごろーさん(46)。
しかし、10年以上前の写真のなかで見つけた彼はまるで別人だった。身長173センチ体重122キロの肥満体重から、なぜ、どのように肉体改造を行ったのか。
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「お前はキャラがないから、デブになれ」
――35歳のときのお写真を拝見して驚きました。
ひげごろー よく言われます(笑)。高校時代にラグビーを、大学時代はアメリカンフットボールをやっていましたからね。
――スポーツに励んでいた頃はもっとスリムだったのでしょうか。なぜ、そこから体重が増加してしまうのかと気になります。
ひげごろー そうですね。大卒で建設会社に入社し、その後、友人の事業を手伝うことになるのですが、そこで「お前はキャラがないから、デブになれ」と言われたのがきっかけでした。当時は83キロくらいで、見た目のインパクトは確かになかったんです。
――業態や職種として、“キャラ押し”が必要なものだったのでしょうか。
ひげごろー いえ、全然そんなことはありません。でも、その友人がパワハラ気質気味で、「お前はキャラがないから、デブになれ」と、仕事終わりに牛丼やカレーなどを最低でも1キロくらいは食わされるようなこともよくありました。冗談ではなく、吐くまで食べさせられるんですよね。
いつしか使用人と召使いみたいな関係性に変わっていきました。最初は地獄の日々だと感じていたのですが、いつしか強制されなくても食べ物を食べるようになってしまって。気がついたら122キロになっていました。
――ひげごろーさんはラグビーやアメフトに打ち込んだスポーツマンで、体格もがっしりしていたでしょうし、力ずくで抵抗することも可能だったのではないでしょうか。


