「1万円超のTシャツが売れている」と聞けば、首をひねる人も少なくないだろう。それもブランドロゴも柄も見当たらない無地のTシャツ。ユニクロやヘインズなら1000円台でも質の高いものが買えるのに、なぜそんなものが売れるのか? なぜ高いのか? 毎年、膨大な数の新作Tシャツをチェックする筆者が推したい“プレミアム無地T”を紹介しよう。(全2回の2回目、#1を読む/取材・構成=押条良太)
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「ジャケット用Tシャツ」の最適解は…
筆者はよくTシャツの上にジャケットを羽織るのだが、この“ジャケット用Tシャツ”選びは一筋縄にはいかない。
生地がペラペラだと格好がつかないし、ジャケットの重みでTシャツの首周りがヨレるのも気になる……。
筆者もあれこれ試してきたが、今のところ、センテナの「ラグジュアリーTシャツ」が最高だ。
(4)ジャケットに似合うTシャツの究極形「センテナ」 1万780円
日本の逸品を職人と共創するプロダクトブランドが追求したのは、大人のためのTシャツ。
生地からしてフツーのTシャツと違う。
生地は和歌山県のニット工場で、極めて希少な丸編み機・バランサーキュラー®で編み上げたカットソー生地。素材は繊維の宝石と名高いスーピマコットンをベースに、極細のナイロンをミックスしたもので、1920本もの縦糸を使って高密度に編み上げられている。
しなやかでありながら、適度なハリ・コシがある丈夫な生地は、ジャケットを着た際も首周りがヨレにくい。
ジャケットに似合う理由は仕立てにも。
身頃は若干ゆったりとしたジャストサイズで、身頃と袖は逆三角形をイメージした立体的なフォルムに。襟ぐりは一段高めに設定されているため、首元がすっきりして見え、肩の位置も人体に合わせてやや前振りに設計されている。
筆者はこのTシャツを着て、ジャケットを羽織った際に、思わず「これだ!」と叫んでしまった。
2023年の夏に発売されると、たちまちヒット商品となり、1日150枚以上が売れたこともあるという。
ユニセックス仕様ということもあって、女性ユーザーも多い。たしかに、厚手の生地はインナーも透けないし、逆三角形の立体フォルムはボディラインをすっきり見せてくれる。
価格は1万を超えるが、生地が丈夫で型崩れしにくく、長持ちすることを考えると、十分元は取れるはず。
ジャケットに合わせるTシャツを探している方に、ぜひ一度試してほしい逸品だ。