卓越した通気性でサラッサラの着心地
(5)吹き抜ける風を感じる「スノーピーク」 1万7600円
キャンプ用品ブランドとして知られるスノーピークだが、近年アパレル事業にも力を入れており、数々のヒット作を出している。
夏の看板商品のひとつが、「Breathable Quick Dry(ブリーザブル クイック ドライ)シリーズ」だ。
猛暑の中でのキャンプやアウトドアを想定して開発されたTシャツは、素材開発の先駆者・東レの技術が駆使された生地がヤバい。
タテ糸にリサイクル繊維の「&+」(アンドプラス)を、ヨコ糸にプライムフレックスを使って織られた軽量ストレッチ素材に、無数の通気孔を設ける特許技術によって卓越した通気性が実現されている。その着心地はまさに「Breathable(通気性)」。素肌で風を感じることができ、肌触りもサラッサラ。
とはいえ、単に涼しいだけに終わらないのがスノーピーク。
スマホなどを入れられる胸のファスナーポケットや腕上げの運動量を確保するマチ、夜間の視認性を高める裾のリフレクターロゴなど、随所にアウトドアギアとしての機能性が付与されている。キャンプ中に汚れても、手洗いすれば、すぐに乾いてまた着ることができる。
「アウトドア専用か?」と問われれば、答えは「NO」だ。
スノーピークのアパレルラインは、都市と自然を行き来する服を意味する「HOME⇄CAMP」がコンセプト。だけあって、このTシャツも、パナマ素材風のシワ感やゆったりとしたシルエットと相まって、街着としてもばっちり着ることができる。
ビームスなど有力セレクトショップでも展開されているあたりに、このTシャツのファッション性の高さがうかがえる。
おもに素材コストの理由から、決して安くはない。だが、着心地と使い勝手のよさを考えれば、満足度の高い一枚になるだろう。
実際、2022年夏に発売されると、たちまちヒット作となり、すぐに定番化された。以降、毎年、色や形を変えて展開されている。ユニセックス仕様のため、女性ユーザーも多い。
単なるTシャツではなく、優れたアウトドアギア、と捉えたい一枚だ。





