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被告人:それは言葉では……。気持ちですから。気持ちを素直に表した言葉ですから。
裁判官:恋愛感情と言われることへの憤りはどこからくるのですか?
被告人:憤りや不満ではなく、事実と違うということです。
検察側は「遺族感情は峻烈で、結果も極めて重大」として、裁判員裁判では初の死刑を求刑した。弁護側は「毎月遺族に手紙を書くなど反省、後悔している」として、死刑回避を求めた。
「死刑に処していただきたいのです」
里奈さんの父親は「どうしても自分では読み上げられない」と意見陳述を弁護士に依頼。顔が腫れ上がり、体中に管がつながれた里奈さんと対面したこと、すでに脳死状態で、助かっても植物状態になると医師から告げられたこと、血がしたたる包丁を持った吉田と鉢合わせして、1年以上も外出できなくなるほど妻が体調を崩したこと、母と娘を同時に失い、妻の精神状態が尋常ではないこと、自宅が犯行現場になったため、引っ越しを余儀なくされたことなど、事件後の苦しみを初めて吐露した。
「裁判員の皆様におかれましては、様々な思い、迷いがあるかもしれません。しかし、犯罪被害者の遺族からみましたら、当然死刑に処せられる犯人については、死刑に処していただきたいのです。どうか裁判員の皆様、裁判官の皆様、適正な判断を示してください」