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くだされた罰は…
だが、裁判所は「被害者の気持ちを理解できず、一方的に思いを募らせた結果、抑うつ状態に陥り、思い悩んだ末に事件を起こした。犯行の経緯や動機は極刑に値するほど悪質とまでは言えない。前科がなく、20年以上社会人として真面目に生活してきた。被害者や遺族の思いを真剣に受け止め、人生最後の瞬間まで、なぜ事件を起こしてしまったか、苦しみながら考え抜くべきだ」として、無期懲役を言い渡した。
判決後、里菜さんの父親は弁護士を通じて「悔しくて涙も出ませんでした。人間を2人殺してこんな判決でいいのかと思います。いったい何人殺せば死刑になるというのでしょうか」というコメントを発表したが、検察は「裁判員裁判の判決を尊重すべきだと判断した」という理由で控訴を断念し、一家を崩壊に追い込んだ男は、量刑に不満を申し立てることもなく、刑が確定して服役した。
