なぜ「幸せ美人」になれたか?

こずえ 洋裁を「再開」したのは45歳頃です。小学校の頃から洋服を作るのが好きだったのですが、既製品のほうかわいい、手作りなんてカッコ悪い、と思ってやめてしまってたんです。40代になって心理学のセミナーに通っていたとき、「昔好きだったことをやってみよう」と言われて、やってみたらすごく楽しくて。

こちらのドレスも彼女の手作り(写真提供:本人)

――洋裁のどのような点が楽しいですか?

こずえ 布には可能性しかないんです。既製服はイメージが決まっていますが、布はゼロから始まる。その可能性を前に、流行や「美人に見えるかどうか」ではなく、自分で押さえつけていた「キラキラしたお姫様になりたかった願望」を、布が引き出してくれたんです。

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――内なる願望を叶える手段になったのですね。

こずえ はい、ピンクや花柄の服なんて、以前は絶対選ばなかったし着られなかったのに、布から選んでワクワクしながら作ることで、着られるようになりました。

 そして、自分で作ったかわいい服を着始めたら、「他人軸」のキレイから「自分軸」のキレイに変わっていったんです。自分が本当に良いと思う美しさ、本当に憧れているお姫様に、どんどん近づいていくのを感じました。

――憧れの自分に近づくことで、内面から輝きが増したと。

こずえ 美人って、誰かが決めた美しさ「他人軸」だと思っていたんですが、そこを追求すると、他人の評価や劣っている点ばかりが気になり、人と比べて苦しくなってしまいます。自分にとっての美しさという「自分軸」で追求すると、無理がなく、自分本来の良さを生かせるので、自然と笑顔になって内側から輝き出すと思います。

 美人になりたいのは、究極的には幸せになりたいから。だから、笑顔の幸せ美人は、人の心に届く美しさを放つんです。洋裁を始めてから、私はまさにその「幸せ美人」になれたと感じています。