脅迫DMが届いて1週間寝込んだことも…
——危険を感じたことはありますか?
山田 3月11日にライバーの最上さんが亡くなって、14日に政治家の立花孝志さんがナタで襲われて、そのタイミングで私もSNSで脅されたんですよ。「家に行くからな」みたいなDM(ダイレクトメール)が来て、1週間寝込みました。私は過去に、彼氏に追い回されたり、DVされたりして、パニック障害になったことがあるんですよね。それで、いろいろフラッシュバックしちゃって。
——どうやって立ち直ったんですか。
山田 子供の面倒だけは何とかみて、朝御飯を作って「いってらっしゃい」したら、もう“無”なんですよ。何か考えてるわけでもなく、寝てるわけでもなく、時間だけが過ぎて、夕方になってる。それが1週間続いて、「子供たちがいるのに、こんなんじゃヤバい」と思って、病院に行ったんです。そしたら、「脳の活性が働いてないからそうなるんだと思います。鬱の薬を渡します」って。でも、抗鬱剤ってクセになるって聞いたことがあったから、「ちょっと怖い」って言ったんですよ。そしたら、「これは弱い薬だから大丈夫。脳のやる気を起こさせる部分を活発化させる薬だよ。とりあえず2週間だけ飲んでみて」って。飲んだら、それが効いたのか、翌日には動けるようになったんです。本当に動けなかったのが、次の日にはもう治ってて、即効性がありすぎて、怖いっちゃ、怖いですね。
——その後、脅迫するようなDMは来ていませんか。
山田 今は来ていないです。でも、SNSの世界はちょっと怖いですね。今は芸能人の方も普通に配信してますが、昔だったら芸能人に直接DMできるとか考えられないじゃないですか。それが、今はできるんですもんね。配信中に芸能人と喋れて。鬱になった1週間の間に、私も投げる人の気持ちがわかったんですよ。寝込んでるけど、スマホは見られる。で、配信中の人にちょっとお金を投げたら、自分の名前を呼んでくれて、明るく「ありがとう」って話しかけてくれる。この人とつながってる。私にはこの人しかいないって思ってしまう人もいるだろうなって。投げたら喜んでくれて、話しかけてくれるから、ついつい投げてしまう。だからこそ、オーバーに気持ちを表現するライバーさんに人気が集中するんだと思います。
撮影 深野未季/文藝春秋
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