舞妓さんたちも「普通の女の子」だと伝えたい
――素敵ですね。そして現在の松原さんは、舞妓さんとしての体験や定時制高校での日々を漫画にしてSNSや書籍で発表しています。きっかけを教えていただけますか。
松原 定時制高校に通い始めてから、高校の先生に「舞妓さんの頃はどんな生活してたの?」と聞かれることが何度かあり、自分が当たり前だと思っていたことが世間一般では変わっていることなのだということに気がつきました。絵を描くことは好きでしたので、「これ漫画にしたら面白いかも!」と思い、エッセイ漫画として描き始めました。
私の漫画を通して、普段から上品な佇まいをしている舞妓さんたちも中身は「普通の女の子」なんだということ、そしてその「普通の女の子」が憧れの世界で一生懸命励んでいるという姿を想像してもらえたら嬉しいです。
私は花街の文化がとても好きです。SNSでの漫画の発信は今後も続けていくつもりですが、ほかにも舞妓さんとのイベントを開催したり、漫画やグッズを制作して販売したりもしてみたいですね。
――最後に、子どもの頃の松原さんのように舞妓に憧れている人、なりたい人へのメッセージ、アドバイスをぜひお願いします。
松原 昨今SNSの影響もあり、皆さんは花街や舞妓さんに対してさまざまな印象を持たれていると思います。
舞妓さんは「接客業」です。しかしそこには「芸を売る」という概念がしっかりと存在しています。これから舞妓さんを目指す方は、まず自分が「どういう舞妓さんになりたいのか」それをまずしっかりとイメージしてください。
そしてもう一つ、「自分の売りとすること」と「絶対に売らないこと」をしっかり心に刻んでください。私が京都に行く前、父に言われたことです。華やかな世界に誘惑はつきものですが、自分の心持ち次第でどんな素敵な舞妓さんにもなれます。自分の「舞妓さんになりたい!」という気持ちを信じて真っ直ぐ突き進んでいってください! 心から応援しております。
