〈あらすじ〉

 かつて伝説的カリスマF1レーサーとしてその名を轟かせていたソニー(ブラッド・ピット)は、盟友ルーベン(ハビエル・バルデム)から現役復帰の誘いを受ける。ルーベンが代表を務めるF1チームは現在最下位。しかも今後の成績次第ではチームを失う恐れもあるという。友人のピンチと自身の夢のため、ソニーはサーキットに戻ることを決意する。

 チームの第一ドライバーは若きルーキーのジョシュア(ダムソン・イドリス)。ピットクルーのリーダーはF1のマシン開発担当としては唯一の女性であるケイト(ケリー・コンドン)。彼らは、何から何まで常識破りなソニーの振る舞いに戸惑いを隠せない。しかし徐々に、その圧倒的な才能と実力が明らかになり――。

〈見どころ〉

 F1の全面協力を得て、どこまでもリアルなレース映像を実現。世界各国のサーキットを使用しているほか、最新技術を駆使してありとあらゆる角度で臨場感のある映像を撮影。また、製作には現役スターレーサーのルイス・ハミルトンも名を連ねる。

ブラッド・ピットが魅せる! 超高速“体感”エンターテインメント

リアルなスカイ・アクションで世界中を熱狂させた『トップガン マーヴェリック』(22)の製作チームが再結集。舞台を地上のサーキットに移して時速300kmを超える世界を映像化。胸熱なモータースポーツアクションのドラマを描く。

©2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED. 配給:ワーナー・ブラザース映画
  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆悪魔的なスピードと反射神経が強調されがちなこの世界だが、常人離れした筋力の強さや頭脳的な連携プレーも描かれていて楽しめる。ただ、全体的にはやはり大味。サーキットが替わっても、空間の気配に陰翳を伴う変化が訪れないのが原因か。メカと肉体の「情交」も足りなかった。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★★映像のテクニックが素晴らしい。レース中の危ういタイミングや散乱する車体の壊れ具合が絶妙で、現場の迫力を体感できる。クズ男ソニー(ブラピ61歳)が放つ色気は気持ちいい。老いて、不良の魅力が美しく存在するとは。配役も脚本も音楽も演出も結末までもが完璧。大画面に浸って是非。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆ブラピ最高。『トップガン マーヴェリック』の達成を踏まえ、一時期コシンスキー監督に企画が回っていた『フォードvsフェラーリ』の要素も受け継ぎつつ、より単純明快にチューンナップ。ひねりなしの話で深みはないが、速度や馬力重視。いまどき珍しいほど元気なハリウッド映画に仕上がった。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆“ブラピとF1”という超豪華なモータースポーツ大型映画。個人的には迫力のデイトナ24時間レースに見入った。理想の架空のマシン、架空のドライバー。映画はそれが成り立つから、たまんない。負け犬が這い上がってくる設定、カメラがいろんな位置から覗くので視覚的快楽も堪能。

  • 今月のゲスト
    マライ・メントライン(著述家)

    ★★★★☆主人公をめぐる「英語vs米語」の大舌戦は、モータースポーツ界の宿痾「永遠に融けあわぬ欧州と米国」の心理を深く浮き彫りにしており超面白い! 但しその面白味が字幕や吹き替えで伝わるか? にしても'90年スペインGPでのM・ドネリーのリアル事故映像を「ブラピです」と言い切る大胆さには驚いた!

    Marei Mentlein/1983年、ドイツ生まれ。テレビプロデューサー、コメンテーター。そのほか、自称「職業はドイツ人」として幅広く活動。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED. 配給:ワーナー・ブラザース映画
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『F1®/エフワン』
監督:ジョセフ・コシンスキー 
製作:ジェリー・ブラッカイマー 
脚本:アーレン・クルーガー
2025年/アメリカ/原題:F1® The Movie/155分
6月27日(金)~全国劇場にて公開
https://wwws.warnerbros.co.jp/f1-movie/