近年だと、パナソニックに西島秀俊さん、アイリスオーヤマに吉沢亮さん、花王アタックZEROに松坂桃李さん、菅田将暉さん、賀来賢人さん、間宮祥太朗さん、杉野遥亮さん、P&Gアリエールに生田斗真さんなど、家電や洗剤などのCMには男性タレントが起用されることが多くなっている理由とは…? ITジャーナリストの高橋暁子氏の新刊『若者はLINEに「。」をつけない 大人のためのSNS講義』(講談社)より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目/後編を読む)

家電や洗剤などのCMに男性タレントばかり起用される理由とは?(画像:花王ホームページより)

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炎上トラブルなぜ起きる?

 ネット上で非難や批判が殺到する状態、つまり炎上はなぜ起きるのでしょうか。

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 一般的に炎上は、不適切なことを投稿した時に起きるとされます。すなわち、以下のようなことを投稿した時です。

○違法行為、犯罪行為

○他人が不快に思うこと、意見が分かれること

○差別、誹謗中傷、マナー違反行為

 しかし、それでだけではありません。

 たとえば2022年に炎上した「生娘シャブ漬け戦略」は、吉野家の常務が早稲田大学の社会人向けマーケティング講座に講師として登壇した際に発言されたものです。

©文春オンライン編集部

 地方から都会に出てきた若い女性が、男性から高い食事を奢ってもらうようになる前に牛丼中毒にし、リピート客になってもらうという趣旨の発言だったようです。正確にはネットで発言されたものではありませんが、受講生が不快に感じたからこそ、炎上につながったと考えられます。

 若い女性は男性に奢ってもらうものという構図、不快な言葉を発言してしまう言葉選びのセンス、地方をバカにしたような発言、いろいろと問題が多く、炎上もやむなしだったでしょう。

 実は、最近の炎上には一定の傾向があります。特に多いのが、ジェンダー関連と差別系です。ジェンダー関連は、以下のようなものがすべて含まれます。