アフリカのウガンダ出身でイスラム教徒
ゾーラン・マムダニは多様性を誇るニューヨーク市にあっても、ことさらにユニークな背景を持つ人物と言える。1991年、アフリカのウガンダの首都カンパラで生まれ、両親とともに5歳で南アフリカ共和国のケープタウンに移っている。一家はマムダニが7歳の時にニューヨーク市に移住し、後にマムダニは米国市民権を取得。一家はイスラム教徒。
父親はインド生まれの大学教授マムード・マムダニ。母親はインド系アメリカ人の映画監督ミーラー・ナーイル。代表作の一つ、デンゼル・ワシントン主演『ミシシッピー・マサラ』（1991）は、ウガンダの政情により祖国を出てアメリカに移住しなければならなかったインド系ウガンダ人一家の娘と、ワシントン演じるアフリカ系アメリカ人青年との恋愛を描いた作品だった。
マムダニは大学卒業後に低所得者の住宅問題相談を手掛けるカウンセラーとなり、同時に「ヤング・カルダモン」のステージネームでラッパー／プロデューサーとしても活動。
2021年にニューヨーク州議会議員となり、今回のニューヨーク市長選に立候補。並みいるベテラン政治家たちを抑えて民主党の候補者となった。市長選の本選は11月。勝者は来年1月より市長となる。
マムダニは今年初頭に結婚したばかり。妻のラマ・ドゥワージ（27）はテキサス州生まれのシリア系アメリカ人で、ニューヨークにある美術大学卒業のイラストレーター／アニメーター。イスラム教徒の現代女性を描いた作品はニューヨーカー誌、BBC、ワシントン・ポスト紙などに掲載されている。
2人はデートアプリで知り合い、ニューヨーク市役所で結婚。後日、ドゥワージの両親が暮らす中東のドバイにてイスラム教式の結婚式を挙げている。今回の市長選キャンペーンにドゥワージは参加しておらず、ドゥワージのSNSやウェブサイトには自身のアートのみがポストされている。
