――いじめられていることを親には相談していたんですか?

上福 自分が気にしているだけで、ガチないじめられっ子というわけでもなかったから、親に相談することはなかったです。「体が大きいことがコンプレックスなんだよね」と母には伝えたけど、追い打ちをかけるようなことばかり言われました。

「ピンクの浴衣を着たい」とねだっても「ピンクは体が小さい子じゃなきゃ似合わないからダメ。小さい柄もダメだから、大きい柄にして」と言われて。髪を伸ばしたくても、「ショートカットにしなさい」と押し付けられてきたんです。

ADVERTISEMENT

 

「学校をサボって遊んだり」「まわりには援助交際している子も…」ヤンチャだった中学生時代

――中学校では、部活を転々としていたとか。

上福 部活をやる気はなかったけど、世間体を気にして、姉がいるバドミントン部に入ったんです。でも、顧問の先生に「やる気がないなら帰れ!」と怒鳴られて、そのまま退部しました。

 その後、野球部の顧問の先生が「このままだと非行に走るから」と、野球部のマネージャーにしてくれて。もともと野球部にはマネージャー職がなかったのに、わざわざ私のために作ったんです。

――結局、野球部のマネージャーは……。

上福 フェードアウトしました(笑)。やる気のない子には何を押しつけてもダメなんですよ。一度痛い目を見ないと更生しないと思います。

――“やんちゃ”だったそうですが。

上福 ドラマに出るようなヤンキーとは違って、学校をサボって遊んだりする程度の“やんちゃ”でした。まわりには援助交際している子もいたけど、それは違うと思っていたし、殴られることはあっても自分から殴ることはなかったんです。

「学校をサボっても誰かに迷惑をかけるわけじゃない。だけど、暴力で一生残るような傷をつけるのは違う」と、自分の中で区別をつけていました。「とことん悪いことをしたい」というわけではなかったんです。

――何人かとつるんでいたんですか?

上福 4、5人でいることもあったけど、1人でいることが好きでした。どこか冷めていたんです。

 バドミントン部も「ここで頑張ったところで何につながるの?」「顧問の先生ってバドミントンの選手じゃなくて、ただのおじさんでしょ?」と思って、やる気をなくしていましたから。夢中になれることがなかったんです。そんな子が非行に走ってしまうのかなと思います。