低年収の人がイヌを飼えば年収が高まる?

このイヌを飼う効用はそれだけではない。麻布大学の菊水教授がこんなことを教えてくれた。

「年収はウェルビーイングに影響を与えることが知られています。おそらく年収の高い人たちは金銭的に余力があり、旅行やグルメを楽しむことができます。一方、年収の低い方々は自分のやりたいことができず、またそれを比較してしまうことでウェルビーイングが下る可能性があります。しかし、私たちのデータでは、年収の低い方でもイヌの飼育者はウェルビーイングが高いことがわかってきました。

イヌを飼うと、わが家のイヌが一番と思うようになってかわいがります。現実に人間のわが子に、誰もが一番と納得するようなものを身に付けさせるのは簡単ではないし、できたとしてもそれを自慢すれば毛嫌いされます。でも、イヌであれば『うちのイヌが一番』と自慢できますし、皆が自分のイヌが一番と思っているので、誰も文句はいいません。いわば人間の競争社会から抜け出して、自分も幸せになれるのです。

ADVERTISEMENT

結果、ウェルビーイングが上がると考えられます。ウェルビーイングの高い方は何事にも前向きに取り組む傾向がありますし、家庭も明るく、仕事の業績も高いことが知られています。最終的にはそのような生活や意識の持ち方が年収をあげることにもつながるかもしれません」

ことに、近所に“ママ友”などがいない男性に効果が大きいのではないかとしている。ふつうの家庭では、子どもたちはお母さんとは話をしても、お父さんとはあまり会話がないもの。そんな孤独なお父さんも、イヌを飼えば“イヌ友”ができて世界が広がり、コミュニケーションできるようになり、家庭でも会話できるようになるものだ。

積極的に外に出るようになって、身体的に元気になるだけではなく、精神的にも元気になり、ひいては仕事面でも実績が上がって、年収が上がる可能性も出てくるというわけ。一石二鳥、三鳥もの効果になりそうだ。