瞬間の感情を大事にして命名してくれた母

――子どもの名前を考えるうえで、大事にしたほうがいいところはなにかありますか。

寺内 ひとつだけちょっと思うところがあって。子どもの人生を決めかねない名前はやめたほうがいいかなと思いますね。たとえば、親が野球好きだから「球」っていう字を入れて、野球をやらせようとか。親がサッカー好きだから「蹴」という字を入れて「しゅうと」とか。で、「おまえ、しゅうとなのにサッカーやってねえじゃん」っていうのが実際におったんですよ。名前だけでレールって敷かれるものなんやな、みたいな。

 

――子どもへの思いや期待を乗せすぎてしまうのは良くないと。

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寺内 世間は画数とかをすごく気にされると思うんですけれど、「そのときに思った気持ちが一番大事じゃない?」とは思いますね。めちゃくちゃ悩んで決めるのであれば、それを大事にしていただくのが愛だと思いますし。うちの母みたいに、そのときに幸せって感じたからストレートに「はっぴぃ」って付けたのも全然ありだと思います。

ひいばあちゃん、ばあちゃんの名前は…

――子どもの名前をめぐって夫婦で揉めるという話も聞きますが、寺内家ではなかった?

寺内 うちはたぶんなかったんじゃないですかね。母が直感で決めたものを、そのまま父も受け入れていたと思います。親戚から反対されたとかも聞かないので、わりとすんなり名付けたのかなと。

――先祖代々、変わった名前の家だったんですか。

寺内 ひいばあちゃんは「きくえ」で、ばあちゃんは「やすこ」ですし。まったくもってメッチャ普通ですよ。だから、ここで突然変異が起きちゃってるよね、っていう(笑)。まあ、でもそのおかげで普通だったら経験できないことがたくさんできたので、結果オーライだと思います。

 

写真=三宅史郎/文藝春秋

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