北朝鮮と軍事的に対峙している韓国では、すべての成人男性に1年6カ月~1年9カ月間の軍服務が義務付けられている。世界的に人気のある韓流スターやK-POPアイドルも例外ではない。
ただし、「国威宣揚に寄与した人」にはこの義務が免除される「兵役特例法」が存在する。たとえば、オリンピックやワールドカップなどの国際スポーツイベントでメダルを獲得したアスリートや、国際クラシック音楽コンクールで入賞した演奏者などは、この特例法によって兵役が免除されてきた。
しかし、グローバルエンターテインメントのメインストリームであるアメリカでビルボードホット100チャート1位を獲得するなど、「文化強国としての韓国」の地位を高めてきたBTSだが、この兵役特例法は適用されなかった。
BTSの「兵役特例法」適用への賛否両論
ファンをはじめ多くの国民の間で「BTSにもこの特例法を適用すべきだ」という世論が起こった。しかし一方では、兵役を控えたり、終えたばかりの20~30代の男性を中心に「公正ではない」という声が上がった。
さらに、深刻な少子化の影響で軍人が絶対的に不足している状況もあり、兵役特例法の廃止まで検討していた国防部が「反対」の立場を示し、賛否両論が激しくなった。
結局、韓国国民の半数ほどがBTSの兵役免除に反対したため、BTSは軍入隊を決断。2022年12月、最年長のジンが陸軍に入隊したのを皮切りに、2023年4月にJ-HOPE、12月にRM、V、ジミン、ジョングクも陸軍に現役兵として入隊した。シュガだけは、デビュー前に受けた肩の負傷で現役入隊不可判定を受け、社会服務要員として2023年9月に入隊した。
そして2025年6月21日、服務期間が最も長かったシュガが除隊したことで、全てのメンバーが兵役の義務を終えて社会に復帰した。

