2022年6月よりグループ活動を休止していたBTSが、3年ぶりに「完全体復活」の準備に入った。7月1日、BTSは公式ファンコミュニティ「Weverse」上でライブ放送を実施し、来春に新アルバムをリリースすることと、ワールドツアーの開催を発表した。
K-POPグループとして初めて米ビルボードチャートで1位を獲得するなど、数々の偉業を達成してきたBTSの復帰。世界各地から期待が寄せられる一方で、韓国内では、“2つの懸念点”が指摘されているという。一体どんな意見が上がっているのか? 現地ジャーナリストの金敬哲氏が寄稿した。(全2回の2回目/はじめから読む)
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BTSが“完全体”で復帰するーー。「王者の帰還」により、K-POP業界も活気を取り戻している。所属事務所HYBEの株価は過去52週間の最高値を更新しながら力強く反発しており、海外メディアもBTSのグループ活動再開の兆しについて詳しく伝え、期待感を示している。
AP通信、ニューヨークタイムズ、BBCなどの海外メディアはBTSの復帰について「K-POP市場に新しいエネルギーが供給される瞬間」と評価した。最近、韓国は9年ぶりにアルバム輸出がマイナスとなり、「米国など海外市場でK-POPに対する疲労感が高まっている」という分析が出ているなか、BTSの復帰は韓国だけでなく世界のエンターテインメント界からも大きな注目を集めている。
一方で、BTSの復帰に影響を与えかねない否定的な見方が絶えない点は懸念される。
まず、軍服務中に飲酒運転事故を起こしたシュガに対する世論からの非難がまだ収まっていないことだ。韓国メディアによると、シュガの除隊直後、KBS放送局にシュガの出演を停止してほしいという請願が寄せられたという。
BTS完全復帰への懸念も…シュガの“飲酒運転事故”
社会服務要員として軍服務中のシュガは2024年8月6日深夜、自宅近くで泥酔したままスクーターを運転し、駐車させる途中に転倒。警察に摘発され、飲酒運転の疑いで略式起訴された。
HYBEとシュガ側はすぐに容疑を認めて謝罪文を発表したが、スクーターをキックボードと表記したり、飲酒運転の移動距離を「500メートル程度の短い距離」と強調したことにより、世間からは「事件を矮小化しようとした」として糾弾された。
HYBEが2回目の反省文を発表して否定的な世論を沈静化しようとしたが、非難は続いている。