KBSは公営放送らしく、「違法または非道徳的行為」を起こした芸能人に対して放送出演規制審査委員会を開き、出演可否を自主的に規制している。飲酒運転を起こした俳優のクァク・ドウォン氏、歌手のキム・ホジュン氏に対して出演停止になったことがある。
シュガは除隊後、このような否定的な世論を意識したのか、再度謝罪文を発表して反省の意を表している。障害のある子どもたちを支援するために50億ウォンを病院に寄付したり、連日ボランティア活動を行ったりしているが、世論をどれだけ静めることができるかはまだ分からない。
所属会社HYBEで起こった“お家騒動”
BTSにとってもう一つの懸念材料は、所属会社HYBEの絶え間ない経営リスクだ。HYBEは2024年4月、レーベル「ADOR(アドア)」のミン・ヒジン代表との経営権紛争で、多くのK-POPファンを怒らせた。
この騒動でHYBEを代表するガールグループ「NewJeans」はHYBEとの決別を一方的に宣言し、「ガールグループの中で最強」ともささやかれるNewJeansのファンクラブ「Bunnies」を敵に回した。
しかも、HYBEとミン氏との泥沼の争いの中で、BTSアルバムの買収疑惑や、ダンワールドというカルト宗教との癒着疑惑などがインターネット上に広がり、BTSにもダメージを与えた。
競争が激しいK-POP業界では、根拠の乏しい疑惑でもライバルグループのファンを中心にインターネット上で大炎上する現象が繰り返される。インターネット世論に大きな影響を及ぼすデマを所属事務所のHYBEが管理しなければならないはずが、HYBE自身がこうしたデマを広げてしまうこともある。
さらに最近は、HYBEの代表・パン・シヒョク議長に対する韓国金融監督院と警察の捜査が行われていることも新たなリスクとなっている。
これは、パン議長が2020年、HYBE(当時はBig Hit エンターテインメント)の上場時に知人が運営するPEF(プライベート・エクイティ・ファンド)と秘密契約を結び、約4000億ウォン(=約423億円)の不当利益を得たという疑惑だ。パン議長は既存のHYBE株主には「上場が難しい」として株式売却を促し、この株式を知人のPEFに安値で買わせた。