「X野郎たち、黙ってろ」と歌ったことも…

 シュガが事件を起こした当時、軍人の身分だったことが非難された最大の理由だった。シュガは自宅から出退勤しながら公共施設に派遣されてサービス業務や行政業務を行う「社会服務要員」として兵役の義務を果たしていた。集団生活をしながら社会と24時間隔離される現役兵とは異なり、比較的自由な社会服務要員は、軍入隊を控えた若者たちなら誰もが望む服務方式だ。

2022年6月、米ホワイトハウスを訪問したBTS ©AFLO

 しかし、身体検査で現役不可判定を受けてこそ可能な、ある意味、特別な身分でもある。さらにシュガは2020年に「Agust D」という名義で発売したミックステープの収録曲「どう思う?(What do you think?)」でBTSの兵役特例を巡る世論に対して次のように批判したことがある。

「軍隊は時がくれば自分で行くから、おれたちの名前を売ってスプーンをのせようとするX野郎たち、黙ってろ」(※スプーンをのせる=正当に努力せず、他人の成功に便乗して利益を得ようとする行為)

 そうしたシュガがBTSメンバーの中で唯一現役兵ではなく社会服務要員となり、唯一軍服務中に問題を起こしたため、アンチファンだけでなくARMY(アーミー)*の間でも非難の声が上がった。
*ARMY=BTSのファンのこと

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 飲酒運転でシュガは略式起訴を通じて1500万ウォンの罰金刑を宣告されたが、国防部はシュガに対する特別な懲戒を行わなかったことも非難の的となった。

シュガのインスタグラムより

「芸能人は特別扱いか」という非難

 一部では「一般人だったら除隊が延期されたりする厳しい処罰を受けるだろう。芸能人は特別扱いか」という非難も起こった。シュガが除隊するやいなや、今度は公営放送局であるKBSに出演禁止を求める請願が出された。

 請願には「飲酒運転は他人に直接的な危害を及ぼしかねない重大な犯罪行為」であり、「その人物が放送に出ることは、重犯罪である飲酒運転犯罪に対する社会的警戒心を低下させる恐れがある」と主張されている。