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「ウーロン茶世代」の若者は、情報が豊富でモノが簡単に手に入る時代に、あまりこだわりをもたずに何でも選ぶ傾向があるという。こうして無難で万人受けする飲み物になっていたウーロン茶が、世代を表す言葉にもなった。
1990年代には、ウーロン茶がしばしば「国民的ソフトドリンク」や日本の「国民的飲料」などと呼ばれた。ウーロン茶葉の輸入量は、1980年から2001年までの約20年間で6倍以上に増えた。ただし、サントリーウーロン茶の販売量がピークに達した2001年、日本のウーロン茶飲料の市場拡大もピークに達した。同年からは、緑茶飲料の販売量がウーロン茶飲料を上回るようになった。
21世紀の最初の20年間で、ウーロン茶飲料の販売量は3分の1以下に減り、緑茶飲料の販売量が2倍以上に増えた。こうして21世紀に入ると緑茶への回帰が進み、ウーロン茶はとくに中年男性に好まれる飲み物になっている。
岩間 一弘(いわま・かずひろ)
慶應義塾大学文学部 教授
1972年生まれ。専門は東アジア近現代史、食の文化交流史、中国都市史。2003年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。千葉商科大学教授などを経て2015年より現職。おもな著書に、『中国料理と近現代日本――食と嗜好の文化交流史』(編著書、慶應義塾大学出版会、2019年)、『上海大衆の誕生と変貌――近代新中間層の消費・動員・イベント』(東京大学出版会、2012年)などがある。
慶應義塾大学文学部 教授
1972年生まれ。専門は東アジア近現代史、食の文化交流史、中国都市史。2003年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。千葉商科大学教授などを経て2015年より現職。おもな著書に、『中国料理と近現代日本――食と嗜好の文化交流史』(編著書、慶應義塾大学出版会、2019年)、『上海大衆の誕生と変貌――近代新中間層の消費・動員・イベント』(東京大学出版会、2012年)などがある。
