サッカー日本代表の森保一監督が「週刊文春」の名物連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」に登場。世界最速で2026年の北中米ワールドカップ出場を決めた森保ジャパン。“史上最強”とも言われる代表を率いる指揮官は、いま何を思うのか。

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阿川 ワールドカップの日本代表監督を2回続けてなさるのは森保監督が初めてだそうで。

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森保 そうですねえ。僕自身は、選手としてワールドカップには出たことないんですけど。

対談に臨んだ森保一監督と阿川佐和子さん ©︎文藝春秋

阿川 あの「ドーハの悲劇」という思い出したくもない経験を、選手としてなさっているから……。

森保 はい(笑)。ただ、コーチとしては2018年のロシア大会に行かせていただいて。

阿川 西野(朗)監督のときに。

森保 そうです。その後、2022年のカタール大会には監督として行かせてもらい、どちらもチームはベスト16で敗れました。2018年は途中まで2-0で勝っていたのにベルギーに逆転負けを喫し、2022年はクロアチアに負けた。どちらの試合も「勝てたんじゃないのか」という気持ちが自分の中にあったんですね。それは戦った選手の様子を見ていてもわかって、実力差があって負けたのなら「俺たちよくやったよ」ってやりきった雰囲気が出るものなんですけど、でも選手たちからは「もう一歩で勝てたのに」という悔しさのほうが伝わってきた。まだ代表の監督をやりたいと思ったのは、その経験が大きかったんです。