脱“マンネリ化”のための変化とは
森保 なのでそこはもう1回見る目をフラットにして、選手選考の面でも、戦術面でもマンネリ化しないように気を付けています。具体的にはコーチ陣が2人替わったんですね。新しく名波(浩)コーチと前田(遼一)コーチが入ってくれたので、また練習内容も変わってきますし。
阿川 コーチが違うと変わるものなんですか。
森保 変わります。練習はコーチに任せているので。目標は同じでも、選手たちはフレッシュな気持ちになるかなと思っています。他にも、スペインのセビージャというチームで分析官をやっていた方(若林大智氏)に新しく入ってもらいました。彼は世界の名将と一緒に仕事をしているので、その経験を代表に落とし込んでもらおうと。今の代表スタッフは、僕を含めてけっこうドメスティックなメンバーなので、世界とのギャップを埋めてもらっています。
阿川 今って、主要な代表選手のうち海外組は何%ぐらいなんですか。
森保 80%から90%ぐらいじゃないですか。組もうと思えば、100%でも組めますし。
阿川 ひゃー。国内だけでやってる選手は萎縮したりしないですか?
森保 たしかに、海外組は主張力というか自己表現能力が強いですからね。でも一方で、思いやるとか察するという日本人的な能力もちゃんとみんな持ち合わせているんですよ。練習のときは個人としての主張が強いですけど、試合になったら団結できる。日本のよさと、世界で戦うときに必要な強さみたいなものをうまくミックスして持ってくれています。たまに若くして海外に出た選手だと、日本人のメンタリティを忘れているときもありますけど。
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