母が息子について語ったこと
新山に対する弁護側立証では、現在新山と同居する母が証人として証言台に立った。事件当時は別居をしており、警察からの連絡で事件を知ったと振り返る。幼いころから心優しく、物や動物にも優しく接すると感じていた母にとって、逮捕の知らせは驚きでしかなかったという。
新山はかつて、行政の発達支援を受けていた過去がある。個別の支援計画書などが弁護人によって証拠提出され、事件との明確な関連性は不明瞭であるが、その一因であるという前提で、弁護人から母親に質問が展開されていった。
弁護人:「20歳を超えて、気になる点などありましたか」
新山の母:「人との関わりをすごく大事にするのですが、少し周りを信じすぎるというか…」
弁護人:「コミュニケーションなどは」
新山の母:「言葉の理解と伝えるのが苦手なので、わからないことは周りに相談して、と伝えてはいましたが…」
新山は事件当時、金銭トラブルを抱えていた。母は、事件当時に新山が自分へ相談しにくかったのかもしれないと自らを責め、今後は同居しながら密にコミュニケーションを取っていくことを誓約した。
住宅退去費用のため、犯罪に手を染めた
続いて証言台に立った新山は、冒頭から涙交じりで供述した。当時の新山は、住宅の退去費用として70万円が必要だったという。まとまった金額も対処する知識もなく、誰にも相談できないまま、契約書にサインしてしまって金銭に窮する中、瀧本の「夜職だから稼げる」という言葉をそのまま受け止め、誘いに乗った。
しかし、違法性は認識していたようで弁護人の「逮捕され、事件のことはどこで認めましたか」という質問に対して新山は「最初からです」と答えている。「成人でありながら、何も考えないで情けない」と軽率すぎる行動を反省する姿勢も見せており、保釈された現在は家族のサポートを受けながら、警察や親の「人を信じすぎる」という自分の性格に向き合うために社会心理学を学んでいるという。
続く記事では、主犯といえる瀧本が売春行脚に手を染めた理由や主張、判決について触れています。瀧本の主張には、女子高校生を売春させた人間とは思えない「被害者家族」へのメッセージもありました。ぜひ、合わせてお読みください。
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