「新たな40年に向けて、第一歩を踏み出す」
7月1日、商号を日本電信電話からNTTに変更した島田明社長(67)はこう意気込んだ。今年は民営化から40年の節目の年にあたる。
商号変更は国内外で認知された通称を正式採用し、出遅れたグローバル展開を加速させる狙いがある。この流れは“NTTのドン”澤田純会長(69)が社長時代の20年12月、NTTドコモを完全子会社化したことに始まる。ここからNTTグループは再統合へ向け大きく舵を切った。
23年7月には持ち株会社制へと移行、国内外の各事業子会社を傘下に収めた。今年5月にはNTTデータグループにTOBを実施、完全子会社化すると発表した。投資総額は実に2兆3700億円超に上る。
「ドコモとデータを完全子会社化した目的の1つは、親子上場の解消。これにより利益相反やコングロマリットディスカウント(企業価値が各事業の企業価値の合計よりも低いこと)を回避すること。もう1つが澤田氏が掲げてきた、『GAFAの対抗軸にNTTがなる』という目標のためでしょう」(通信業界関係者)
実は澤田氏は当初、「NTTデータは海外事業が大きく、独立して動けるので、完全子会社化はしない」と公言していたが、前言を翻しても再統合が必要と考え、
「昨年11月には、島田社長からNTTデータグループの佐々木裕社長に子会社化を打診していた、と言われています」(NTT関係者)
〈この続きでは、市場からの評価、携帯電話事業での減益の要因などについて背景を解説しています〉
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