バスルームに自分の血で書いた「殺す」

 両親が検査結果を知ったことがわかるや、ナタリアは態度を一変させる。近所の子供に危害を加え、バスルームに自分の血で「殺す」と書き、家族を皆殺しにして死体を庭に埋めるとも口にした。

写真はイメージ ©getty

 バーネット夫妻は、いつ何をされるかわからない恐怖から家にある凶器になりそうなものを全て隠すと同時に、ナタリアと離れて暮らしたいと真剣に考え始める。実の子供の1人が自閉症を患っていたことも、夫妻の不安をより増長させた。

 が、法的にナタリアは8歳の少女で、正式に養子縁組された彼らの娘。年端も行かぬ我が子を手放すことは、イコール扶養義務の放棄になってしまう。そこで、夫妻は様々な医療機関に調査を依頼、ナタリアが小人症の稀な形態である先天性脊椎骨端異形成症を患っており、実際は1989年9月生まれの22歳であることを証明。2012年にインディアナ州マリオン郡裁判所にナタリアの年齢の修正を申請し、これが認められたため、夫妻は実子とともにカナダに移住、ナタリア1人がアメリカに残ることになる。

次の記事に続く 「子供のふりをした“サイコパス”」一緒に過ごした2年間は悪夢だった…“8歳の少女のフリをする”22歳の養女に命を狙われた『夫婦のその後』(海外・平成22年)

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