かつてインタビューの途中で、「男の人は、気持ち悪い。キモい……」と漏らした頂き女子りりちゃんこと、渡辺真衣氏。彼女に何度も面会したフリーランス記者だからこそ気づけた「りりちゃんの男性嫌悪」の片鱗とは?フリーランス記者の宇都宮直子氏の新刊『渇愛: 頂き女子りりちゃん』(小学館)より一部抜粋してお届けする。(全3回の2回目/続きを読む)

コレコレ氏の動画に出演したりりちゃん(画像:YouTubeより)

◆◆◆

「りりちゃん」と「男性嫌悪」

 2度目の接見を終えた後、私は「コレコレ氏に取材しよう」と思い立った。コレコレ氏は自身のチャンネル登録者数が200万人を超える人気YouTuberだ。未成年淫行や投資詐欺、インフルエンサーのスキャンダルなどを、当事者たちと話しながら生配信で暴いて行く「相談系」というスタイルで、多くの若者たちから支持を受けている。渡邊被告も逮捕前にコレコレ氏の動画に出演していたことがあった。

ADVERTISEMENT

 コレコレ氏の知名度を押し上げたのは、2021年、ローティーンを中心にアイドル的人気を誇るYouTuber・ワタナベマホトが15歳の少女にわいせつ画像を送らせたことをスクープした動画だった。この件は『週刊文春』が後追いするほどの大きな事件になり、ワタナベマホトは引退に追い込まれ、コレコレ氏はこれまではテレビや新聞、週刊誌などマスコミの独壇場だった「スクープの発信元」として、いち配信者を超えた力を持つようになる。

 そんなコレコレ氏だからこそ、2021年に自身のYouTubeチャンネルで、リスナーでもあった渡邊被告にインタビューした動画は297万回以上の再生を記録し、「頂き女子りりちゃん」の存在を全国区のものとした。

 おそらく歌舞伎町のビジネスホテルと思われる部屋のベッドで、渡邊被告は黒のスウェットに黒のマイクロミニ、黒い膝上ストッキングという姿。満面の笑みで「頂き」のメソッドを饒舌に語り、「頂きとは、おぢたちとの信頼関係を作ること。おぢたちを救う一面もある」とハイテンションで持論を展開していたのだった。

 コレコレ氏は歌舞伎町の住人でもなければ、“頂かれた”おぢでも、渡邊被告から“搾取”していたホストでもない。完全に第三者の立場だ。そして、相談系YouTuberとして、リスナーたちから数々のタレコミを受け、人気配信者たちや、時には芸能人たちとも直接対峙し、彼らの「ウソ」を暴いてきた。そんな彼だからこそ、実際の渡邊被告と会い、どんな印象を持ったのか聞きたかった。

「僕はりりちゃんには“男性に対する憎しみ”があると思っていた。言動とか雰囲気はなんか穏やかで接しやすいコで、男性に媚びている感じなんですけど、結局男性を騙してるわけじゃないですか。その根底にはやっぱり男性に対しての“憎悪”があり、だからこそ、おぢ相手の詐欺ができた」